掲載日 : [2020-08-13] 照会数 : 5067
ハンセン病と朝鮮人「差別を生き抜いて」… 高麗博物館企画展
[ 写真は「ハングル講座」(高麗博物館のホームページより) ]
NPO高麗博物館(村野繁理事長・新井勝絃館長、東京・新宿)で企画展「ハンセン病と朝鮮人~差別を生き抜いて」が開催されている。同制作グループは「ハンセン病は過去の問題ではない。新型コロナウイルス禍のいまこそ、ハンセン病の患者や家族たちを差別してきたことを、自分たちの問題として考えてほしい」と呼びかけている。
療養所では寝食を共にする入所者どうしであっても「朝鮮人」に対しての偏見があった。「同室を嫌がられたり、なにか問題が発生すると朝鮮人のせいにされることが多く」発生した。
なかでも経済格差は深刻。1960年3月から療養所入所者に国民年金法が適用されるようになったが、外国人は適用対象外だった。日本人の一級障害者が1カ月2000円から2500円の給付を受けたのに対し、外国人は「慰安金」と「不自由慰安金」のみの750円。収入額にして約3倍もの差がついた。
ある同胞入所者は「お茶の時間になると、便所の中に入るんだ」と当時の精神的苦痛を語っている。療友からは「療養所にいられるだけでも感謝すべきだ」「帰国すべきだ。すべて片付く」「ぜいたくは言わせない」といった罵声を浴びせられたという。
年金格差の解消を目指し、全国組織「在日朝鮮人、韓国人ハンセン氏病患者協議会」(現、在日韓国・朝鮮人ハンセン病患者同盟)を結成し、64年から厚生省前で座り込むなどした。
12月27日まで(12~17時、月・火休館)。入館は要予約(03・5272・3510)。
(2020.08.13 民団新聞)