掲載日 : [2020-11-26] 照会数 : 11277
韓日改善、糸口探る…韓日議連会長ら来日…民団と意見交換も
[ 民団主催の晩さん会で挨拶する金振杓韓日議連会長 ]
菅首相や各党代表と面談
韓日議員連盟(金振杓会長)代表団8人が訪日し、12日に日韓議員連盟(額賀福志郎会長)と東京の衆院第1議員会館で合同幹事会を開き、交流・協力策や新たな韓日関係を構築するために努力していくことで一致した。
韓日議連側は与党「共に民主党」から金会長のほか、副会長の尹昊重氏、常任幹事の金漢正氏、女性委員長の全恵淑氏、野党「国民の力」からは議連副会長兼幹事長の金碩基氏、社会文化委員長の李埰益氏(国民の力)、常任幹事の成一鍾氏の議員7人と朴正浩事務総長が来日した。
会合には日本側から額賀会長のほか、議連幹事長で日韓親善協会中央会会長の河村建夫氏(自民党・衆院議員、元防衛相の中谷元氏(自民党・衆院議員)、白眞勲氏(立憲民主党・参院議員)らが参加した。
金会長は「歴史問題による韓日関係のあつれきが、経済・安保にまで飛び火している。政界はこのような時こそ発想を転換し、多角的な見地で交流や協力を進めていくべきだ」と呼びかけた。
日韓議員連盟の額賀福志郎会長(自民党)は98年の金大中大統領と小渕恵三首相が発表した「韓日パートナーシップ宣言」について触れながら、「しっかりと大局観に立って、新しい日韓関係を築いていくよう、お互いに努力できればありがたい」と述べた。
金会長は「両国国民間の理解を深めて不信を和らげ、両国の首脳が懸案を解決するうえで役立つ環境づくりこそ政界のすべきこと」とし、東京五輪成功のため、両議員連盟が東京五輪交流協力特別委員会を設置することや、1月に開く民団の新年会に合わせて韓国側議員が訪日し、議員や有識者らによるセミナーの開催などを提案した。
韓日議連一行は13日、東京都内の首相官邸で菅義偉首相と面談した。金会長らは韓日関係を改善するための環境づくりを進める意思を表明し、菅首相はこれを歓迎し期待感を示した、徴用賠償問題を巡る立場については変化が見られなかった。
一行は日本滞在中に自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表、立憲民主党の枝野幸男代表や森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員長らと面談、13日夜には民団と懇談会を持ち、14日に帰国した。
◆民団も一行8人と意見交換
民団中央本部では13日夜、都内のホテルで金振杓会長ら韓日議員連盟一行8人を招き晩さん会を兼ねた懇談会を開いた。
民団から呂健二団長、朴安淳議長、呉龍浩大阪団長、劉代永婦人会中央会長、金春植監察委員、鄭夢周副団長、徐元喆事務総長、韓国大使館側からは金安那総領事、崔恩圭立法官が参席した。
呂団長は「今、韓日関係は本当に厳しい状況にあるが、こういう時こそ未来に向けて動き出すべき」とし、「韓日問題の中に在日同胞もいる。韓日議連一行が菅首相や各政党代表らと会談し意見交換することは私たち在日同胞も期待が膨み、韓日関係が一歩前進することを願う」と述べた。
金会長は「コロナ禍がまだまだ続いているが、年内に日韓議連議員らと意見交換し、関係改善を図りたいと訪日した」とし、「関係の悪化によって民団をはじめとする在日同胞のみなさんが辛い思いをしていると思うと胸が痛い。一歩も前進できず停滞しているのは政治家らに責任があると思う。菅首相や日本の政治家らと意見を交換し、発想を転換し、多角的な見地で交流を進めることを提案した」と報告した。
(2020.11.25 民団新聞)