掲載日 : [2017-01-18] 照会数 : 11796
<同胞成人式>夢実現へまっしぐら…民団、青年会が激励
[ 在日の仲間サランヘー ]
[ 韓服とスーツ姿で華やいだ雰囲気の韓国大使館大講堂=東京 ]
[ 出席者(右)は一人でも心づくしの式典に=佐賀 ]
「成人の日」を前後して各地の民団、青年会が同胞新成人の門出を祝った。対象者は1996年4月2日から97年4月1日までに生まれた人たち。真新しい韓服やスーツに身を包み「なりたい自分になる」と自己実現に意欲を燃やしていた。
大使館で初開催
民団東京本部(金秀吉団長)は8日、港区南麻布の韓国大使館大講堂で記念式典を行った。同本部によれば韓国大使館での成人式開催はこれが初めて。新成人34人が参加した。金団長は祝辞で、今年行われる韓国大統領選挙で投票権を行使するよう促した。金容吉総領事は自己責任で果敢に未来を切り開くようにと激励した。記念品は民団から米国製の高級筆記具クロスボールペンと青年会作成のハングルカレンダー、大使館から韓日・日韓辞典。
新成人を代表して鄭昌晃さん(学生会中央本部副会長)が答辞を読み上げた。
韓国中央会館に会場を移しての懇親会では、茶礼道研究家の李瑛子さん(東京茶礼房房主)が新成人に伝統的な拝礼作法を伝授した。指導を受けた孔愛利さんは、「新鮮な気持ちがした」と感想を語った。将来は「日本で韓国の人、韓国で日本人に教える教師」になるのが夢だという。張有李さんは「家でチェサをやっているが、作法が間違えていた。これからは正しくできる」と喜んでいた。
青年会中央本部の朴裕植会長によれば、青年会東京本部のオリニサマーキャンプや次世代母国研修に参加した経験のある新成人が目立った。「ああ、君たちの代だね」と感慨深げだった。
20歳の誓い収録
【愛知】愛知では7日、新成人18人が名古屋市内のホテルに集まり、ビデオカメラの前でそれぞれ、両親への感謝や将来の抱負についてコメントした。これは成人式を主催した青年会愛知本部(秋貴志会長)のアイデア。
学生会愛知本部の尹周作さんは「これからの民団は私たち若い世代が支えていく」と胸を張った。3月から美容師として社会に飛び立つことになった朴慶起さんは「両親への感謝を込めて恩返しをしていく」と誓った。河彩生さんは「20年間、ただただ両親に感謝の気持ちでいっぱい」と目を潤ませていた。
録画映像はこの日の夕方、民団愛知本部など関係3団体が同ホテルで開催した新年会で披露され、新成人も参加した。
商品抽選に沸く
【大阪】大阪韓国人会館では8日に成人式が行われ、79人が参加した。主催団体を代表、民団大阪本部の鄭鉉権団長は、「自分の夢や目標を達成するまでは、決してあきらめないで」と激励。新成人を代表して河翔さん(延世大学校1年)が「在日韓国人として力強くたくましく生きていくことを誓う」と宣言した。
建国高校を卒業して、4月からは大阪市内のホテルでパティシエとして働く呉亜佑巳さんは「韓国人としての誇りをもって地域社会にも貢献していきたい」と胸を張った。
最後に各種商品の当たる抽選会もあり、会場が沸いた。
【奈良】民団奈良本部(黄泰壽団長)は8日、奈良市内のホテルで長田知夏さんの成人を祝った。長田さんには民団と奈良韓国教育院(李萬 院長)から祝賀状、花束、商品券などが贈られた。
長田さんは引き続き民団主催の新年会に主賓として招かれた。
【滋賀】民団滋賀本部(朴鍾文団長)は8日、同本部に新成人3人を招き、激励した。
朴団長が「在日韓国人の一人であることを忘れず、ルーツを大切にしてください」と強調。記念の花束と商品券などを手渡した。婦人会本部(金泰順会長)からもお祝いの紅白まんじゅうが贈られた。引き続き民団主催の新年会に移り、50人余りが朴茂順議長と婦人会役員らが準備した韓食を堪能した。
【和歌山】民団和歌山本部(孫文敏団長)は7日、和歌山市内のホテルで新成人2人の門出を祝った。民団からホテルの写真室で撮影したフォトブックを。婦人会と青年会、近畿産業信用組合からもそれぞれに記念品が贈られた。第2部では大阪出身の在日同胞歌手で人権活動家でもある新井深絵さんが約90分のライブコンサートを行った。
次代担う人材に
【佐賀】民団佐賀本部(鄭清俊団長)は7日、県立生涯学習センターでたった一人の出席者のために心づくしの成人式を行った。
新成人は小学校6年の2008年、第5回オリニジャンボリーに参加して初訪韓。全国から集まったオリニとの交流を通して韓国のことが好きになって今日を迎えたという。抱負は「人に迷惑をかけず、サポートする立場の人間になりたい」ときっぱり。民団では将来の幹部候補生として期待している。鄭団長は「これから一緒に頑張りましょう」と自ら握手を求め、記念品として本名の実印などを贈った。
(2017.1.18 民団新聞)