掲載日 : [2016-09-28] 照会数 : 5670
李康白の衝撃作「プゴテガリ」日本版…ホリプロ梶山プロデューサーに聞く
[ 主演の藤原竜也(右)と山本裕典 ]
栗山民也演出で「鱈々」上演
韓国を代表する劇作家、李康白が1993年に発表した4人芝居「プゴテガリ」は、多くの観客に衝撃を与えた作品だ。その話題作を、日本の演出家、栗山民也が手がける「鱈々(だらだら)」が、10月7日から30日まで、東京・品川区の天王洲銀河劇場で上演される。同作は、小さな倉庫の中でともに働きながら暮らしてきた男2人の姿を通して、現代社会を生きる人間の闇を浮き彫りにする。多彩な事業を複合的に展開する総合エンターテインメント企業の「ホリプロ」が初めて韓国戯曲を手がける。公演事業部のチーフプロデューサー、梶山裕三さんに聞いた。
藤原竜也×山本裕典 人間の闇を描く
公演事業部は、1981年にスタートした「ピーターパン」の公演以来、毎年、海外の演劇やミュージカルをメーンに古典から新作までの作品を上演してきた。
戯曲『プゴテガリ』は、梶山さんがホリプロ所属の藤原竜也に素晴らしい作品を演じてほしいと探していたときに出会った作品だ。
「これまで読んだことのないジャンルだった。寓話的なのに現代に突き刺さるような内容で、これを上演したら観客に何か訴えるものがあるのではないかと思った」
倉庫という閉塞した空間で暮らし、箱を指示通りに管理するだけの単調な毎日を送る2人の男。与えられた仕事を完全にこなすことが、自分が価値ある存在だと確認できる唯一の方法と信じるジャーンと単調な生活に嫌気がさし、夜は外で酒を飲み女と遊ぶキーム。そんなある日、一人の女性ミス・ダーリンと彼女の父が倉庫に現れたことから、物語は大きく動き出す。
ジャーンを演じる藤原竜也について梶山さんは「今までにない、今の藤原だから演じられる役だと思っている」と期待を込める。
「鱈々」は、世界のどこでも起こりうるテーマが込められている。「そういったものが、上演する意味のある演劇だと思うし、韓国にこういう作家がいるということを日本の方にも知ってほしいと思った」
梶山さんは「現代を痛烈に風刺した作品です。栗山さんの演出も素晴らしくなると思うのでぜひ、観に来て下さい」とアピールした。
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出演は藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝巳。演出は栗山民也。
公式サイト(http://hpot.jp/stage/dara)
東京公演後に長野、大阪、鹿児島、福岡、静岡で上演予定。
上演チケットは全席指定9,800円。お問合せはホリプロチケットセンター(03-3490-4949)まで。
公演会場、チケット購入に関してはHP(http://hpot.jp/stage/dara/tour)。
(2016.9.28 民団新聞)