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韓日懸け橋役強力に
李俊揆・駐日大韓民国大使
在日同胞のみなさん、「在日本大韓民国民団」創団70周年を心よりお祝い申し上げます。
民団70年の足跡は常に祖国と共にしてきた歳月でした。民団は我が民族の苦しい歴史の中で出発し、韓日関係と南北関係の特殊性の中で成長しました。常に団結し、互いに助け合ってたえざる努力の中で差別と困難を克服してきました。
このような献身と執念の結果、日本全国に体系化された組織を持つ、世界唯一の同胞団体として成長しました。日本国内の広範囲なネットワークや行政力をもとに在日同胞社会の発展の土台となりました。
韓民族としてのアイデンティティーとルーツを守り、祖国発展にも多く貢献し、寄与してきました。「単純な同胞団体以上の同胞団体」という評価の中で、全世界の同胞社会の一つのモデルとして重要な位置を占めることは決して偶然ではないと思います。
しかしながらこの間の成果に甘んずることなく、時代の変化と挑戦を直視し、発展的未来を開拓していこうとする民団の努力を称賛します。未来創造フォーラムの長い議論の末に発表された「未来創造メッセージ」が民団の新しい70年の重要な基盤になることを祈ります。
今年は韓日関係の新しい50年を出発させる初年度でもあります。過去の歴史の問題をしっかりと踏まえ、共生協力の分野を拡大し、相互信頼と理解を拡大していくために努力する時でもあります。民団も韓日関係の懸け橋として多くの役割を担って頂くことを願います。
祖国と民団が一つになり、多くの事業を展開してきたように未来に向かって共に歩みましょう。

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祖国への尽力永遠に忘れず
徐源・韓日議員連盟会長
昨年11月の韓日首脳会談で24年間引きずってきた日本軍従軍慰安婦問題に解決の兆しが見え、その合意内容の履行が進められています。また、先月G20サミットに参席した朴槿恵大統領と安倍晋三首相は、両国関係の発展と北韓の核問題等に対し、共に協力することを約束しました。
このような韓日関係の回復を韓国の議員共々喜ばしく思い、お祝い申し上げます。ここまで来ることができたのは、ひとえに在日同胞皆様のひたむきな支援と協力のおかげと思っています。
皆さんは在日同胞の地位と生活向上はもちろん、祖国の繁栄と統一のために努力してこられました。韓国戦争に際し在日同胞義勇軍の参戦をはじめとして、セマウル運動、独立記念館設立、そして日本国内に公館敷地として9カ所の土地を寄贈なさっただけでなく、ソウル五輪時には100億円を超える支援をして下さるなど、常に祖国のために尽力なさいました。
最近では、日本の一部右翼によるヘイトスピーチなどの困難な状況にも毅然と立ち向かい、地域社会の模範としての姿を見せて下さいました。
大韓民国は皆さんの献身と努力を決して忘れません。皆さんの最大の課題である地方参政権が獲得できるよう、共にたゆまず努力していくことを約束いたします。

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貴重な歩みに万感こもごも
金守漢・韓日親善協会中央会会長
第二次世界大戦後の日本の混乱期の中で、大韓民国の国是を遵守し、在日韓国人の権益擁護と民生安定、そして世界平和と国際親善を図るという理念のもと、産声をあげてから70年という歳月が過ぎました。
この70年、在日韓国人が歩んできた道は決して平坦ではなく、苦難に満ちた長い歴史がありました。
過去の不幸だった韓日間の歴史の残滓が戦後の日本社会にそのまま残り、蔑視や差別を背負った厳しい日常生活が続いていました。
しかし、在日同胞は民団を中心に一致団結して不屈の努力を注ぎ、このような悪条件を克服し、受難の地である日本の中で今日のようなしっかりとした在日同胞社会の基礎を構築しました。
6・25動乱の在日学徒義勇軍の参戦、朝総連同胞の母国訪問事業、88ソウルオリンピック支援事業など、祖国大韓民国に貢献する事業はもちろんのこと、日本政府の差別政策撤廃運動として指紋押捺撤廃、地方参政権獲得運動など在日同胞社会の権益伸張のための事業も積極的に推進してきました。
さる50年あまりの間、韓日関係の友好増進事業に関わってきた私は、在日民団が韓日の懸け橋として両国間の友好増進に数えられないほど多くの貢献をしてきた現実を見てきました。
在日民団のこのような意味ある試練と貴重な栄光の歴史を回想しつつ、万感こもごも至る歴史を振り返ってみたいと思います。

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「平和統一」の先駆的役割を
朱鐵基・在外同胞財団理事長
韓国現代史における逆境克服、そして成就への道のりをともに歩んできた民団の70年間は極めて感慨深いものがあります。
昨年は韓日国交正常化50周年であり、光復70周年という歴史的な年でした。その間、韓日関係は、過去の歴史解釈の相違による相互不信により数多くの困難を経験しました。しかし、たとえ未解決な問題が残っていても両国は善隣と友好の精神のもと、未来に進まねばなりません。
わが在日同胞社会のリーダーである皆さん。韓日関係が歴史的事実を直視したうえで、共同の価値観をもとに未来へ進めるよう、力添えをお願いします。
最近の北韓当局の核武装と挑発行為は南北関係をさらに悪化させ、私たちはもちろん、世界の平和と安全を脅かしています。私たちは北韓の核問題を必ずや解決し、分断の歴史を乗りこえ、平和統一を実現させなければなりません。韓半島の平和統一と東北アジアの新しい平和と安全を具現化させるため、すべての同胞が力を合わせる時です。民団が牽引する在日同胞社会がその先駆的な役割を果たすよう願っています。
構造変化の渦中にある在日同胞社会において、韓国語使用の拡大を通じたアイデンティティーの確立、そして次世代育成がより一層大切となってきております。多様化した在日同胞社会を融合していくことが今まで以上に重要になってきています。在外同胞財団は在日同胞社会の発展と和合の為に最善を尽くしていきます。

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相互の協力で五輪の成功を
額賀福志郎・日韓議員連盟会長
在日本大韓民国民団は、在日韓国人の生活向上、権利擁護、国際親善および祖国の平和統一のため、70年にわたり粘り強く活動を続けてこられました。現在の34万人余の民団団員の経済、社会生活の基盤は、在日1世はじめ先人たちの労苦の上に築かれたものであり心から敬意を表したいと思います。
日韓国交正常化50周年の記念すべき年である昨年11月2日には、念願の日韓首脳会談が実現し、年末には慰安婦問題について歴史的な日韓合意がなされることになりました。
さて、緊張を増す北東アジアの安全保障環境を考えるとき、日本と韓国の緊密な連携は以前にもまして重要なものとなっています。また、グローバル経済のなかで日本と韓国がアジアのトップランナーであり続けるためには、技術協力、通商、金融などの面でも一層の協力が求められています。また、2018年平昌、20年東京五輪/パラリンピックを控え、往時の「韓流ブーム」を上回る日韓間の人の往来や文化的な交流の活性化も期待されています。
日韓関係は今、着実に改善に向かいつつあり、本年を日韓関係をさらなる高みへと導く元年としなければなりません。

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「二人三脚」で草の根の深化
河村建夫・日韓親善協会中央会会長
昨年の日韓国交正常化50周年の記念事業の開催に際しては、貴団、韓日親善協会中央会、そして当会の3団体共催で初めて開催いたしました「日韓親善友好の集いイン・ソウル」では1200人が集まったのも、ひとえに貴団のご尽力、ご協力のおかげと心より厚くお礼申し上げます。
この70年、日韓関係には紆余曲折もありましたが、文化交流、人的往来、青少年交流、地域間交流は順調に推移いたしてまいりました。しかし、政治的な介入ではここ数年間の日韓関係は多くの問題点を抱えたままでしたが、国交正常化50周年の土壇場で懸案事項の一つ、慰安婦問題の合意が不可逆的になされ、政治レベルでも先の見える状況になり、まさに未来志向での協力関係は第一歩を踏み出しました。
日韓親善協会は、永年日本全国の各地で両国の親善交流を図るため、その多くを貴団の皆様と二人三脚で進めてきた草の根運動を、貴団70周年を継起に更に進化させて継続してまいりましょう。

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反ヘイト社会実現めざそう
山口那津男・公明党代表
幾世代にわたって多くの困難を乗りこえて、時代の流れに応じた粘り強い運動を繰り広げ、アイデンティティーを保ちながら祖国にも貢献し、日本社会と共存しながら今日の繁栄を迎えた民団の尽力に心から敬意を表したいと思います。
日韓関係をともに友好に保っていくことが、民団の皆様の生活基盤を保つことにつながります。
ヘイトスピーチを是正するための法律を先の国会でつくりあげました。差別的言動が横行している日本の社会は恥ずかしい。そういうことが自然になくなるような社会をめざそうというのが国会の決意です。反ヘイトが日本社会の中で根付いていくことを目標にしたい。
もう一つは8回目になる日韓交流おまつりです。年々参加数が増え、東京におけるこのイベントを担ってこられたのも、民団の皆様です。これからも、草の根で民団とともに地域で暮らし、ともに進む社会を築いていきたい。

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前に進む動きさらなる加速
岡田克也・民進党前代表
この間、民団の皆さんが様々な困難を乗り越えて、今日の確固たる地位を築かれたことを心から敬意を表すものです。
日本と韓国、お互いが対立する理由はどこにもありません。同じ価値観をもち、同じ民主国家として協力の絆を深めていく。これしかないと思います。先ほど朴槿恵大統領もビデオの中でヘイトスピーチの話をされていました。私が昨年、青瓦台に大統領を訪ねた時に、この話が出ました。与野党でしっかり協力して、法律を成立させるという話をしたが、その約束も果たせて大変嬉しく思っています。
両国間は今、前を向いて動き出しました。この動きをさらに加速化させていくのが、私たちの大きな責任です。これからも是非若い世代も含めて両国国民レベルでも理解がさらに進むように努力していきたいと思います。

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地方参政権の付与は当然だ
小池晃・日本共産党書記局長
民団の皆さんは長年、在日韓国人の生活と権利を守り、民族の文化、日韓両国の友好のため、心血を注いでこられました。
国会では皆さんの強い後押しもあって、超党派の取り組みでヘイトスピーチ対策法が成立しました。しかし、終着点ではありません。7月の都知事選挙では、あの在特会の前会長が立候補し、ヘイトスピーチを繰り返しました。自分たちの重大な人権侵害が、司法によって厳しく断罪された集団の中心人物が、こともあろうに選挙を利用して再び差別を煽る。こんなことは断じて許されません。
地方参政権も大きな課題です。もともと日本でこの要求が広がったのは、戦前日本の植民地支配によって一方的に日本人とされ、戦後は国籍の選択権すら与えられず再び一方的に日本国籍を喪失させられた人々が声をあげたからです。この歴史を踏まえて、日本国憲法の謳う地方自治の精神と世界の流れを見れば、地域社会の同じ一員である永住外国人への地方参政権の付与は当然です。
(2016.10.26 民団新聞)