掲載日 : [2016-10-26] 照会数 : 8655
<創団70周年記念式典>70年の力を未来世代へ…中央団長記念辞

親愛なる内外同胞の皆さん。
本日、私たちは、創団70年という輝かしい歴史を振り返るとともに新しい未来の出発のために、この場に集まりました。
長きにわたり民団を継承、発展することができましたのは、命を懸けて闘っていただいた先輩や、支援をいただいた祖国大韓民国、そして、私たち在日韓国人をはぐくんでいただいた日本社会のおかげです.この場を借りて、深く感謝を申し上げます。
70年を迎えて本当に感慨深いものがあります。
民団は1946年10月3日東京・日比谷公会堂で「在日本朝鮮居留民団」として誕生しました。
それは、希望と苦難の入り混じった出発でありましたが、朝鮮総連との闘いは熾烈なものでした。自由と民主主義を守るため数人の団長が暴漢の銃弾に倒れていきました。「地上の楽園」という言葉に騙された北送事業は、日本全体が歓迎した中で民団だけが、まさに孤立無援の中で反対運動を展開しました。
青年学徒義勇軍として642人が参戦した6・25戦争では、135人が帰らぬ人となりました。生存者も日本には帰還できず、家族の元には戻れない悲しい歴史がそこにはありました。
新祖国建設は厳しい分断の中にあっても、私たちの大きな希望であり、必ず成し遂げなければいけない夢でした。そのために民団は自由・民主主義国家建設の先頭に立って、多くの努力を惜しまなかったのです。
祖国が苦しく大変であった時には必ず民団がいました。貧しかった祖国への積極的投資、セマウル運動支援、ソウルオリンピック後援事業、外貨危機時の送金運動など、大きな貢献をしてきました。今や祖国は経済大国へと発展し、在日の支援は必要としません。しかし、民団の貢献の歴史は決して忘れさられてはいけません。西ドイツ派遣炭鉱夫・看護師らと同様に、忘れてはいけない歴史なのです。みんなで力を合わせて、何とか韓国の教科書に載せられるよう頑張りましょう。
私たちにとって日本はずいぶん変わったと思いませんか。永住意思をはっきりさせた民団は「居留」の2文字を削除し、在日同胞の法的地位向上と生活権拡充運動を展開してまいりました。
民団の差別撤廃運動では地方参政権や2、3の懸案事項を残してほとんど解決されました。民団の団結した力と韓国政府の応援、そして日本の皆様の深い理解があったためと思っています。ありがとうございます。
皆さん。次の100年を見据えて、今できることに全力を尽くしましょう。それは、韓日関係の劇的な改善と次世代の育成です。
北韓は核・ミサイル開発で韓日および世界を恫喝しています。韓日関係の改善は今や至上命題です。懸け橋の役割を十分に果たしていきましょう。
日本社会は強い意志と高い志があれば成功し、貢献できる社会になってきています。自らの努力で、多くの成功者も出ています。
在日社会はその構成要件からして大きく変化し、日本および韓日両国や国際社会で活躍できる次世代を育成することが最大の使命となりました。そのために私たち自らが変わらなければなりません。グローバル時代の中にあっても自分のルーツは大切で、自らの存在そのものです。
次世代のために、そして韓半島の平和と統一のために、一緒に力を合わせて頑張りましょう。
(2016.10.26 民団新聞)