掲載日 : [2016-11-09] 照会数 : 4988
全羅南道と高知県が姉妹協定…尹鶴子さんが縁結び役
全羅南道は10月31日、道庁で高知県と交流協力を強化する姉妹協定を締結した。全羅南道木浦市で孤児3000人を育てた高知県出身の尹鶴子さん(日本名・田内千鶴子さん)が縁結び役となった。
全羅南道と高知県の交流は1997年、尹さんの記念碑が高知市に建立されたことをきっかけに始まった。03年に観光・文化交流協定書を締結。09年には産業交流協定を結び、文化・観光から産業分野まで交流を広げていた。
締結式で全羅南道の李洛淵知事は、「全羅道民は故尹鶴子さんという素晴らしい母を持ち、高知県は尹さんが生まれ育った故郷だ。韓日国交正常化から51年が経ち、全羅南道にとって初めての日本との姉妹協定の自治体が高知県になるのは当然のことだ」と話した。
高知県の尾正直知事は「尹さんの誕生日である10月31日に姉妹協定を締結できたことをうれしく思う」と述べた。
尹さんは1912年、高知市生まれ。朝鮮総督府で働いていた父親に連れられ、幼くして木浦にわたった。日ごろから福祉活動に関心が高く、やがて孤児施設「木浦共生園」で子どもたちの面倒を見るようになった。園長の韓国人男性と結婚。韓国戦争中に行方不明となった夫の思いを継いで3000人以上の孤児を育て上げ、68年に亡くなった。
(2016.11.9 民団新聞)