掲載日 : [2016-11-09] 照会数 : 5757
高麗郡建郡1300年祭フィナーレ…高句麗、飛鳥、平城京が雅やかに時代装束競演
[ 150人が時代装束で繰り広げる「時空ファッションショー」 ]
「にじのスカートがむすぶ浪漫」
市民ボランティア150人参加
【埼玉】高句麗、飛鳥、平城京当時の古代衣装を身にまとったボランティアら150人が10月30日、日高市の高麗神社で華麗な時代絵巻の競演を繰り広げた。「にじのスカートがむすぶ浪漫」と題した「いにしえガラコレクション」だ。日高市とその一帯で1年間続いた「高麗郡建郡1300年祭」の集大成にふさわしい、見どころがいっぱいのフィナーレとなった。
祝祭の始まりは「時空ファッションショー」。高句麗装束は高句麗古墳壁画に描かれた衣装から着想を得たもの。このほか、平城京をイメージした天平装束、高松塚古墳に描かれた飛鳥美人をもとにした高松塚装束、高句麗建国の祖となった朱蒙の時代を再現した韓流古代装束の一団が列をつくり、玉砂利の敷き詰められた参道をしずしずと練り歩いた。
神楽殿の前では渡来人にたくさんの恵みをもたらしてくれた川への感謝の思いを表した「水よ自由に」を歌い踊った。さらに、高句麗壁画に描かれた舞踊図をもとに考案された「高麗美舞体操」も披露された。
境内のはらえどでは渡来の響き、高麗楽の調べに乗せ、十二単を着装した演者が「越天楽今様」を舞った。舞が終わると、演者が瞬時に衣装から抜け出すパフォーマンスで観客を驚かせた。
「語り人(すとーりーてらー)沙也佳」は神楽殿で「高句麗物語」を演じた。高句麗から渡来した高麗人が高麗郡を建郡するまでの物語。3つの楽器を効果的に鳴らしながら1300年前に観客を誘った。また、高来神社(通称高麗神社、神奈川県大磯町)の氏子たちは、大磯に上陸した高麗郡建郡の祖、高麗王若光を讃える木遣り唄「権現丸」を披露した。
高麗神社宮司で、高麗王若光を開祖とする高麗家60代目の当主、高麗文康さんは、「今年1年は宴。来年から歴史を土台としたほんとうの地域づくりが始まる」と語った。
(2016.11.9 民団新聞)