掲載日 : [2016-11-09] 照会数 : 6616
在外韓国人団体の中心「民団の役割さらに重要に」…在外同胞財団・朱鐡基理事長に聞く
韓日青少年交流に期待
民団創団70周年記念式典(10月21日)に出席した在外同胞財団の第18代・朱鐡基理事長に話を聞いた。
−−民団創立70周年をどう評価するか。他の在外同胞団体と比べ、民団の特色は何だと思うか。
民団はこの70年間、様々な試練を克服し、在日同胞社会発展のために中心的な役割を果たしてきた。韓国が貧しく厳しかった時、物心両面にわたり貢献してきた。ソウル五輪で募金運動を展開し、IMF外貨危機の時も助けてくれた。韓国の経済発展に寄与してきたし、日本の発展にも重要な役割を果たしてきた。
日本には特殊性があるために、解放前からいた同胞もおり、解放後に来日した新規定住者もいる。そういう新旧の同胞を包括するのが、民団の特性だと思う。
今では他地域の在外団体も大きくなったが、民団は最初からすべての在外韓国人団体の中心であり、今もその地位にある。
−−在日3世が主体になる今後の民団に何を期待するか。民団は韓日の友好関係発展に何をなすべきか。
これまで民団は韓日関係の維持・発展に大きく寄与してきたが、3世世代が主導する民団は、母国との連携が薄くなる可能性もある。
しかし、今後の韓日関係の70年は、さらに緊密に良好な隣人関係になればと思う。若い世代の母国訪問事業を継続し、韓国語の学習にも積極的に取り組み、民族的アイデンティティーを維持、強固にしながら、韓日関係の真の安定と友好に寄与するような立派な人材を輩出してほしい。
そうなれば、東北アジアの平和と安定にもつながるのではないか。そういう民団づくりをしてほしい。
まだ祖国が達成できないのが平和統一であり、すでに分断71年になった。必ず平和統一を成し遂げなければならない。いつでも統一を達成できるようにわが国も準備するが、民団が世代交代で若返りしても、継続して国の統一政策に歩調を合わせてほしい。
−−在日韓国人に対する本国国民の理解が弱まっているのではないかという危惧があるが。
韓国社会は民団の役割について充分理解をしていると思う。70周年を機会に、本国での写真展やKBSの特番放送など、様々な媒体が民団を紹介し、その重要性を再認識する機会をつくった。同胞財団も継続して民団についての理解を深める役割を担う。
民団が韓国の歴史教科書に、在日同胞の歴史を掲載させるための署名運動を展開しているが、そういう努力が重要だ。編纂委員会も民団の意向を理解するのではないかと思う。今年10月5日の「世界韓人の日」に世界からソウルに集まった400余人の韓人会長の前で朴大統領が演説をされた。民団を紹介する映像も見たが、海外同胞の歴史をわが国の歴史に反映させる努力はすべきだと思う。同胞財団は来年で20年を迎える。学術大会開催や民団の寄与、発展などをテーマに討論の機会をつくる努力をしたい。
−−民団および在日同胞へのメッセージを。
70年間よく頑張ってきたし、今後70年はもっと成長すると思う。民団は韓日関係改善のために努力してきた。韓日は過去を直視しながらも、未来志向で前進しなければならない。その意味で民団の役割は大きい。互いに理解し、葛藤を未然に防ぐような長期的な努力が求められる。
在日同胞は日本の発展のためにも尽くし、韓日友好交流を促進すべきだ。韓日の青少年交流に向けていい雰囲気づくりをしてほしい。そうすれば、いろんな問題も必ず克服できる。財団も努力を惜しまない。
(2016.11.9 民団新聞)