掲載日 : [2016-11-09] 照会数 : 10607
「韓食」で盛りあがる…新宿・浅草
[ 「ノーティーボーイズ」のライブには大阪から夜行バスでかけつけた女性も ]
[ 「キムチフェスタ2016」には鳩山由紀夫元首相夫妻も参加 ]
[ 3度目の正直でキムチグランプリ金賞を手にした朴和生さん(左) ]
6日までの3日間、東京で韓食をPRする大イベントが行われた。新宿歌舞伎町では韓国農林畜産食品部と韓国農水産食品流通公社共催の「K‐FOODフェスタ2016・イン・東京」、浅草では民団韓食ネット主催の「日韓グルメフェア2016・イン・浅草」。両イベントはキムジャン体験、数十種類のマッコリ無料試飲をはじめ、韓食と和食のブースで連日多くの人出でにぎわった。
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日韓グルメフェア・浅草
約30のブースに行列…キムジャン体験、韓服着付けも
民団韓食ネット(崔千浩会長)は、東京浅草の六区ブロードウエイなどで「日韓グルメフェア2016・イン・浅草」を開催した。民団中央本部、東京本部や東京日韓親善協会連合会、駐日韓国大使館、韓国農水産食品流通公社のほか、台東区と地元商店会などが後援した。
食を通じた韓日友好を図るため、昨年初の試みとして浅草で開催したが、今年はさらにパワーアップした。メーンストリートとなった「六区ブロードウエイ」を中心に、期間中、両国のグルメブースや、アイドルグループによるライブ、キムジャン体験、韓服着付け体験など多彩な企画で連日、数万人の人出でにぎわいを見せた。同時開催された「浅草マッコリフェスタ」も数十種類の製品が並び、試飲した後、購入する人が目立った。
韓食ネットは東京日韓親善協会連合会(保坂三蔵会長)、浅草商店連合会(丸山眞司理事長)とスクラムを組んで今年4月から詳細な計画を検討してきた。
江戸の風情ただよう浅草は、外国人をはじめ多くの観光客が訪れる人気スポット。会場となったのは浅草の目抜き通りでもある、「六区ブロードウエイ」の約200㍍。設けられた約30張の韓日グルメブースは行列が続いた。
メーンステージ前は韓国の「ノーティーボーイズ」と日本のアイドルグループ「恥じらいレスキューJPN」、岩永亞美によるライブ、お笑い芸人の漫才で人だかりとなった。
「豚豚フェスティバル」では北海道の「空知豚」、神奈川の「湘南みやじ豚」、東京の「さわやかポーク」、沖縄の「名護アグー豚」などのブランド肉を使った「サムギョッサル」「豚キムチ」「テージカルビ」も人気を集めた。
4日に行われた開会式には呉公太民団中央団長、金秀吉民団東京本部団長をはじめ、韓国農水産食品流通公社の呉炯 輸出事業所長や地元台東区の議員ら多数がかけつけた。
崔会長や丸山理事長は「外国人観光客の多い浅草は、韓日の魅力を世界に発信するのに絶好の場所。将来は浅草の名物イベントになれば」と期待を込めていた。
キムチグランプリ金賞に朴和生さん
3度目の正直
全国から選ばれた発酵キムチづくりの日本一を決める第5回全国キムチグランプリの決戦が5日、日韓グルメフェアのメーンステージ前で行われ、王座に「キムチの店名峰」(名古屋市中村区)を営む在日3世の朴和生さんが選ばれた。
ファイナル出場権を獲得したのは東京、福島、愛知、大阪、滋賀の6社。全国から38品が書類選考に挑み、12品が一次審査を通過。2次試食審査で最終候補6作品が選ばれた。
来場者による一般投票が約1時間続いた。投票総数は544票。この後、韓国料理研究家の愼月順さんを審査委員長とした4人の韓食専門家に、尹淑子韓食財団理事長が特別審査委員として加わり最終審査。
「名峰」は一般投票でも224票と圧倒した。2年前から連続出品し、いずれも準グランプリ。3度目の正直で金賞を手にした。
朴さんは「日本人に好まれやすい味を追求しながらも素材、発酵、ヤンニョン(キムチの素)が本物を作る3大原則と祖母や母親から受け継いだ。この手法を忘れずに、手間暇かけて忠実に作ることで正直なキムチに仕上がった」とふり返った。
審査委員長を務めた愼さんは、「化学調味料を使わず、趣向を凝らした6作品は優劣付けがたいほど素晴らしい味を作り上げていた。どこも絶品」と評した。
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K‐FOODフェスタ・新宿
食材を大々的にPR…レシピ大賞はコチュジャンパスタ
韓国農林畜産食品部と傘下の韓国農水産食品流通公社(atセンター)は5、6の両日、東京・新宿の歌舞伎町シネシティ広場で韓国食品PRイベント「エンジョイ!K‐FOODフェスタ」を開催した。日本を最大の輸出先としている韓国の農業・食品産業を後押しするのが狙い。フェスタに先駆けて4日には同会場で「東京キムチフェスタ2016」も行われた。
会場入り口には韓国食材の広報コーナーを設け、屋台ではマッコリ、トッポキ、海鮮チヂミ、フライドチキン、ホットク、キムパ、チャプチェ、串おでんなどを販売した。マッコリは生、バナナ、桃の3種類の試飲が可能。マッコリは初めてという若い女性も「おいしい」と感想を語った。
ステージでは「5tion」や「J2KC」など新大久保を主な拠点とするK‐POPグループが次々と舞台に立ち、パフォーマンスショーを繰り広げた。なかにはプロカメラマン顔負けの望遠レンズで撮影する若い女性ファンも見られた。
6日にはコラボ企画として韓国産食材を使ったアレンジレシピの味を競うコンテストも行われた。応募数は2週間で合わせて71点。第1次審査で5人が選ばれ、この日の決勝に臨んだ。
優勝したのは山崎真由美さん考案の「コチュジャンボロネーゼパスタ」。審査員を務めた料理研究家の趙善玉さんは、「コチュジャンのまろやかさがよく出ている。スパゲティのあえものとして韓国でも人気を呼びそう」と講評した。山崎さんは留学先の韓国で4年前に韓国人の伴侶を見つけた。「主人につくってあげたい」とレシピを考案したという。賞品としてペアで2泊3日の韓国旅行がプレゼントされた。
準優勝は「えごま香るカリッとモチッとトックチヂミ」(星野美幸さん)。チーズを使ってエゴマの香りをマイルドに。ジャガイモで「ぱりっ」と、トックで「もちっ」とした食感を出した。星野さんによれば「マッコリにぴったり」とのこと。
このほか「パプリカのチャプチェハンバーグ」(金相権さん)、「ヘルシーエゴマチーズロールコチュジャンサワークリームソース」(小林真紀さん)、「韓国風ピラフ」(茂木夏央里さん)が入賞した。
キムチフェスがソウルと初同時開催
MBCが生中継
ソウル市での「キムジャン文化祭」にあわせた4日、新宿でも同様のイベント「キムチフェスタ」が歌舞伎町シネシティ広場で開催された。「キムジャン文化祭」が韓国と日本で同時開催されたのはこれが初めて。ソウル市とMBC(文化放送)による共同主催。新宿韓国商人連合会と在日韓国農食品連合会が主管した。
フェスタには日本側から鳩山由紀夫元首相夫妻や埼玉県日高市の谷ケ照雄市長、東京日韓親善協会連合会の保坂三蔵会長らも参加。李俊揆駐日大使や呉公太民団中央本部団長らとともに白菜を縦に割って持ち上げるデモンストレーションを演じ、開会を告げた。
使用した白菜は韓国産の種を使って高句麗からの渡来人ゆかりの埼玉県日高市で栽培した13000株の一部。全体的に水分が少なく、身が引き締まっているのが特徴だ。谷ケ市長は「日高市で育った白菜が日韓友好の懸け橋になってくれれば」と期待を込めた。
公募で選ばれた約200人が3回に分けてキムチを漬けた。千葉市から参加した宮下のり子さんはこれが初めてのキムジャン体験。「簡単かと思ったら以外と難しかった。でも楽しかったので、次はヤンニョンづくりからもう一度やりたい」と意気込みを語った。
地元の東京韓国学校からも高校2年生の男女45人が「体験学習」の一環で参加した。日本人の母親を持つ朴晏姫さんによれば、キムチは買うことが多く、家で漬けることはないという。「自分で漬けるにはもう1回練習してみなければ」と語った。在日2世の韓承珍君も、「日本社会で韓国の文化に触れられるのは貴重な体験」と喜んでいた。
韓国MBCは同イベントを1時間にわたって生中継した。
(2016.11.9 民団新聞)