韓国の伝統将棋「チャンギ」の魅力を満載した日本語教本『チャンギで楽しく』(仮題、宋正彬著)の原稿が完成した。
前半は初心者向きに各駒の動きと特徴、価値点数を解説。対局開始の準備、ルールと進み、布陣の類型まで多数の棋譜を掲載したビジュアルな構成。ある程度、習熟した中級者には、著者オリジナルの詰みの形や妙手解きが参考になりそうだ。
チャンギは中国の将棋シャンチィと同じく、線の交差する点の上を動く。枡の中に駒を置く将棋を農耕民族的とすれば、いかにも遊牧民族的だ。その動きはシャンチィに比べてずっとダイナミックで、まさしく戦そのもの。せっかちで、ビシバシ勝負を決めたがる韓国人の特性にぴったりといわれている。
著者の宋さんは小学生の時、「韓国の雰囲気が出ている」とチャンギの魅力にはまった。韓国留学中に下宿仲間と日本の将棋で意気投合したことを挙げ、「韓国人が将棋を、日本人がチャンギを覚え、お互いの異なる文化で親しくなれたら」と願っている。
大韓将棋協会東京支部長として日本で20年前からチャンギの普及に取り組む。出版に向けて現在、助成先を探している。
(2015.1.1 民団新聞)