韓国商人連 シャトルバス運行
駐日大使館 大学教授団に諮問
東京・新宿「コリアンタウン」の活性化へ、駐日韓国大使館と一般社団法人新宿韓国商人連合会(呉永錫会長、以下商人連合会)が14日、区内のあすか信用組合本店でフォーラムを共催した。大使館側は大学教授団への諮問結果をもとに提言。これに応え、商人連合会も具体的な方案を発表した。
大使館が諮問した教授団は、流通科学大学商学部の崔相鐵教授を代表とする4人。同チームは昨年12月から今年2月まで現地で聞き取り調査などを行い、その結果を「持続成長を実現する新大久保韓人商店街のための提案」としてまとめた。
報告書では「コリアンタウン」が不況に陥ったのは、「政治問題だけではない。大事なのは内部要因だ」と結論づけた。そのうえで調査メンバーの一人、金雲鎬日本大学商学部教授は現地での聞き取りも踏まえ、「韓流を追い風とする活性化は一過性のブームで終わってしまいかねない。新大久保の町から新たな韓流を創りだそう」と呼びかけた。
敬愛大学経済学科の金珍淑准教授は、大阪「アメリカ村」、沖縄・那覇市中心街の商店街、米国サンフランシスコ「チャイナタウン」という3つの事例との比較から具体的な提言を行った。
金准教授はなかでも、「アメリカ村」に着目した。「アメリカ村」は心斎橋から「しみ出す」ように個性的な店が隣りのミナミに集まってできた若者でにぎわう町。「コリアンタウン」も歌舞伎町から職安通り、「イケメン通り」へとしみ出していったのは共通している。「しみ出し」を促すのは個別店舗の差別化だという。
このほか、那覇市中心の商店街の価格競争をしない結束力。独自の文化とコミュニティで人を呼ぶ「チャイナタウン」からも学ぼうと呼びかけた。
一方、かつての500店舗が400に減った商人連合会も「商人はなにもしなくていいのか」と、生き残りへ必死だ。6月から金・土・日、および祝日に新大久保周辺を巡回する無料シャトルバスを走らせる。コースは新宿駅東口ALTA前‐明治通り‐職安通り‐小滝橋通り‐大久保通り‐東新宿駅‐新宿駅東口ALTA前。
昨年好評を博した新大久保映画祭は今回、商人連合会主導で実行委員会をつくって行うことになった。
内容は韓国を中心に中国、ベトナム、インドなどの15作品。期間は8月15〜22の8日間、「K‐stageO!」を主会場に開く。すべての作品を見ることのできる「パスポート」は、2000円で6月からチケットぴあを通じて売り出す。期間中、学術シンポやK‐POP歌手のライブ、アジアB級グルメ選手権なども予定している。
柳興洙大使は、「皆さんの今後の努力に期待している」と表明。商人連合会の呉会長は、「地元の町内会と輪をつくって、一緒になって頑張る」と宣言。この日のフォーラムに出席していた複数の町内会長も拍手で応えていた。
(2015.4.22 民団新聞)