「被害者守るワクチンに」
インターネット上のまとめサイト「保守速報」と、「在特会・在特会会長」を相手取って「反ヘイトスピーチ裁判」を闘う在日同胞フリーライターの李信恵さん(大阪)が8日、民団中央本部の記者・市民セミナーで心境を語った。
李さんが大阪地裁に提訴したのは昨年8月。ひとつはネット上にはびこるヘイトスピーチを食い止めるため。もう一つは若者らの憎悪を煽り、その将来をめちゃめちゃにした「在特会」とその代表の責任を問うこと。
李さんはライター。自らに向けられた名誉毀損や侮辱には一人、ペンで立ち向かっていった。だが、「ペンを持たない被害者をどうやったら守れるのか」。「法規制には時間がかかる。差別に抵抗するワクチンが必要」と考えた。
「一人ひとりの差別を許さないという気持ちがワクチンになる。せめて歯止めになれば」と、家族の反対を押し切って提訴に踏み切った。ヘイトスピーチをめぐり、個人で損害賠償請求を起こしたのは李さんが初めて。
二つの裁判は同時進行中。対「在特会・在特会会長」は21日に大阪地裁で第4回口頭弁論が行われたばかり。結審までの道のりはまだまだ遠い。李さんは「終わりのない道を歩く気分」だと心境を語りながら、「いまできることを一緒にやっていこう」と力強く呼びかけた。
裁判費用のカンパはゆうちょ銀行(店名‥四一八、店番‥418、普通預金口座0042781李信恵さんの裁判を支援する会)まで。
(2015.4.22 民団新聞)