脱北者12人
脱北者ら12人が「北朝鮮帰還事業は『人道に対する罪』」と15日、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てを行った。相手方は日本政府・北韓政府・総連・日本赤十字・国際赤十字など5者。代理人弁護士によれば、脱北者による日本での集団での人権救済申し立てはこれが初めてだという。
申し立て内容によると、北送事業で北韓に渡り、現在も人権を侵害されている同胞と日本人妻全員についての現状調査、および自由往来の実現、そして北韓における人権の保障を求めている。
東京・千代田区の弁護士会館ビルで記者会見に臨んだ在日同胞脱北者の一人、川崎栄子さん(72)は、「43年間も暮らした北朝鮮から命をかけてでも日本に戻ってきたのは、帰還事業が実際にどのように行われたのかを日本の人たちに知らせるため。今日の申し立てを全世界的な流れにしていきたい。今日の行動がその出発点」と語った。
北韓で生まれた「帰国2世」の李ソラさん(42)は、「北朝鮮への帰還事業を人道的だというが、人道的なことなど一つもなかった。いまもなんの罪のない人たちが毎日のように死んでいる。帰還事業の間違いを世界に発信してほしい」と怒りをあらわにした。
会見した代理人の弁護士は、「決して12人の救済だけではなく、申し立ての趣旨は広い。人権擁護委員会が適切な勧告ないしは警告を出すと思う」と語った。
(2015.1.15 民団新聞)