掲載日 : [2021-09-29] 照会数 : 4431
韓民族の感性豊かな作品群 97歳 呉炳学画伯死去
[ 自宅でくつろぐ呉炳学さん (2018年年賀状の写真) ] [ 「仮面舞」1966年〓呉炳学画集(発行・呉炳学画集刊行委)から ] [ 呉炳学さんを描いた山川修平著「白磁の画家」(三一書房) ]
在日1世の画家、呉炳学さんが今月6日、肺炎のため川崎市中原区の病院で亡くなった。97歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は助手、三浦千波(みうら・ちなみ)さん。
呉炳学さんは旧朝鮮平安南道生まれ。1946年東京美術学校(現東京芸術大)入学後中退。独学でセザンヌほか巨匠たちを深く研究し、独自の画風を生み出した。50年代から韓半島の伝統舞踊、仮面、仮面舞や陶磁器を題材にした作品を手がけた。韓民族の豊かな感性を反映させた作品は、その芸術性の高さから世界に誇るべき絵画と評価されるようになった。
68年個展(文芸春秋画廊、東京)、06年韓国ソウルで個展(仁寺洞学古斎)などの多くの個展を開催。21年6月「呉炳学・三浦千波展ー呉炳学97歳の世界を中心にー」(ギャラリー向日葵)。2001年『呉炳学画集』刊行。朝鮮民話『トケビにかったバウィ』、世界むかし話10『金剛山のトラたいじ』で絵を手がける。1990年から2004年にかけて渡欧(フランス、スペイン、イタリア、イギリス)。
(2021.09.29 民団新聞)