掲載日 : [2021-11-26] 照会数 : 3692
交流広げる「みんなでアンニョン」千葉幕張
[ 左から戸田志香さん、藤田俊子さん、 中島望美さん、樋口博康さん ]
歌も楽しむ韓国語勉強会 歴史も学び「コリア」知る
地域の交流と学びの場「すぽっと幕張」(千葉・花見川区幕張町)で、「みんなでアンニョン」主催の韓国語勉強会と学習会「コリアを知ろう」が開かれている。3月から始まった学習会は、幅広い韓国を知ることで日本人と韓国人の理解を深めたいと、多様な分野で活躍する人たちを招いている。
「みんなでアンニョン」の中心メンバーは、おととしから続けている勉強会の樋口博康さん(62)と音楽プロデューサー戸田志香さん。
勉強会は韓国語学習以外に韓国の歌を歌ったり、ドラマの話しをしたりと終始、和やかな雰囲気だ。学習会には、昨年8月から韓国語を学んでいる藤田俊子さん(62)と中島望美さん(34)も参加している。
これまで、光州市東京事務所所長の丁美愛さん、楊原泰子さん(詩人尹東柱を記念する立教の会会員、尹東柱の故郷をたずねる会会員)らを招いた。語るテーマは幅広い。
1980年代、韓国歌曲を学ぶために留学した後、日韓高校生の歌曲コンサートなどを企画する戸田さんは「いろいろな方の話を通して、自分なりに韓国を感じる、知るきっかけになれば」と思っている。
国際協力推進協会勤務、政党職員などを経て、現在「すぽっと幕張」の共同オーナーとして活動する樋口さんは、特に日韓の歴史問題については「その根底にある歴史が分からなければお互いに理解できない」という考えだ。
藤田さんは、学習会を通して関東大震災の朝鮮人虐殺や日本の大学に留学した後、福岡刑務所で獄死した詩人、尹東柱のことを初めて知ったという。今、韓国の詩に関心を寄せている。
クリスチャンの中島さんは、教会の母体が韓国にある。韓国のキリスト教徒は日本人教徒よりも信仰心が厚いと感じてきた。「何が彼らをここまでにするのか、というのを知りたかった」。これまで知らなかった深い歴史の中で、民族として感じてきた感情があることを学んだ。
2019年8月、中島さんは日韓関係が悪化する中、初めて韓国に行った。最初はびくびくしていたが、日本人だと分かると多くの人たちが助けてくれた。この時、韓国人の温かさを肌で感じた。
「自分が能動的になった時に分かることってある」といい、「私は、テレビは嫌いです。どこまで信じていいか分からないから。学習会では政治の話とか、社会全般の話を聞くことができる。だからここで本当のことを学びたい」と熱心に通っている。
学習会では話を通して、その時代に生きた人たちの気持ちを理解しながら、歴史の裏に隠れている人たちの思いをくみ取っていく。
「単純に歴史の問題を勉強するというよりももっと、生の声を聞かないといけないし、それを聞いて僕らは本音の部分できちんと話していけたらいいなと思う」と樋口さんは話す。
「コリアを知ろう」は毎月1回開催。会費300円。第7回は12月18日、14時開催。元朝日新聞記者でジャーナリストの植村隆さんを招く。
申し込み、問い合わせは樋口Eメール(higuchi.hiroyasu.dpj@gmail.com)
(2021.11.26 民団新聞)