掲載日 : [2021-09-08] 照会数 : 4146
元BC級戦犯の被害救済、韓国憲法裁が棄却
[ 記者会見する原告と張界満弁護士、支援団体代表ら ]
韓国憲法裁判所は8月31日、韓国人元BC級戦犯とその遺族10人が求めていた被害救済の訴えを却下した。裁判官9人のうち5人は却下、4人が「争いの余地あり」と違憲の判断を示す「たいへんきわどい決定」となった。訴えが認められるためには6人の判断が必要だった。
憲法訴願審判請求書(訴状)によれば、韓国政府はBC級戦犯被害者問題が韓日請求権協定の対象でないという事実を知っていた。請求権協定ですべての被害者問題が解決したと主張する日本政府に対し、紛争解決に向けた交渉をしないのは憲法違反だと訴えていた。
これに対して憲法裁判所は「外交部は日本政府に対し、立法解決に向けて努力してきた。義務を果たしていないとはいえない」と訴えを退けた。原告の一人で韓国在住の卞光洙さんは「判断の厳しさに怒りとショックを受けています」と語った。
訴えは2014年10月14日のこと。この日の決定を導き出すまでの7年近い間に3人の請求人が亡くなった。支援者らは立法解決法案の日本でのすみやかな成立を期待している。
(2021.09.08 民団新聞)