掲載日 : [2021-09-08] 照会数 : 4647
東京地裁、DHCテレビに賠償命令…「ニュース女子」名誉毀損を認定
原告の辛淑玉さん「画期的な判決」
沖縄の米軍基地反対運動をテーマにしたテレビ番組で名誉を傷つけられたとして在日同胞の辛淑玉さん(人権団体「のりこえねっと」共同代表)が番組制作会社のDHCテレビジョン(東京)と番組司会者に1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が1日、東京地裁であった。大嶋洋志裁判長はDHC側の名誉毀損を認め、550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。
問題となったのは東京メトロポリタンテレビジョンで2017年1月2日と9日に放送された「ニュース女子」。番組で基地反対運動に関わっているのは犯罪行為もいとわない人々で、それを辛さんがあおっていると伝えた。しかし、判決によれば、そのような事実は認められず、裏付け取材もしていなかった。ただし、司会者については制作や編集に関わっていなかったとして訴えを退けた。
同テレビジョンは在日同胞への民族差別発言を繰り返し、内外から批判を受けてきた化粧品大手ディーエイチシー(吉田嘉明会長)の関連会社。番組倫理・番組向上機構(BPO)からもすでに2度にわたって「問題あり」と指摘を受けてきたいわくつきの番組だ。
原告の辛さんは「番組はフェイクで沖縄の人たちを愚弄し続けた。問題性を明確にした画期的な判決だ。番組に問題があったことを明確に示してもらえて、勇気をもらえた」と語っていた。
DHC側は「不当判決」として控訴する意向を示した。
(2021.09.08 民団新聞)