掲載日 : [2022-12-21] 照会数 : 953
川崎市「人権条例」 運用の改善求める
制定から3年 市民団体会見
【神奈川】「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」制定から12月で満3周年。違反者に日本で初めての行政刑罰を科したことで「殺せ!」「死ね!」といったあからさまな路上のヘイトスピーチは姿を消した。いまや差別をなくす条例制定に取り組む全国の人たちのモデルとさえなっている。
一方、課題も見えてきた。市が条例運用に慎重なため、ネット差別で心の傷を負った被害者の救済が迅速に進んでいないことだ。これは市からの諮問と「審査会」の公表がセットになった17条がネックとなっているとしており、運用の改善を求めている。
「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワークは8日、川崎市教育文化会館で会見。17条の実効性ある運用へ向け、ネットモニタリング制度を活用した削除要請の推進と、人種差別撤廃問題の専門家による条例担当者をはじめとする職員への研修の実施を市に求めるコメントを発表した。
今後、全会派の議員と個別に面談し、施策のさらなる充実を呼びかけていく。また、「いま一度、川崎市の背中を押してもらう」ため、請願・陳情も考えているという。
師岡康子弁護士は「公的機関による削除要請は確かに効果がある。ヘイト被害撲滅へ条例で大きく前進したといえる。今後とも市民の応援、バックアップが必要」と呼びかけている。
(2022.12.21民団新聞)